動物雑学

珍しい動物や、動物についての雑学を紹介します。

ほぼすべての動物が「数」を認識!知られざる動物の能力


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数字、数学などというと「高等」な「人間」独自の感覚であり、他の生き物には備わっていないものだというイメージがありますが、近年の研究でそうではないということがわかってきました。
賢い動物といえば、「賢馬ハンス」が有名です。19世紀末に有名になったこのドイツ馬は、簡単な算数の問いに蹄を鳴らすことで答えて見せ、飼い主のヴィルヘルム・フォン・オーステン卿によれば加減乗除や分数を理解し、音階までわかったといいます。
しかしその後の調査によって、ハンスは周りの人間の雰囲気によって蹄を鳴らす回数を決めていたことがわかり、「分数のわかる馬」の神話は忘れられました。

さて、それから一世紀あまり、今日では動物の知的能力への関心が高まってきています。
ニュージーランドウェリントン大学のバーンズらの行った実験では、倒木にいくつかの穴をあけ、また複数のダンゴムシの幼虫をその中に数をバラバラになるようにして放り込みました。
そして(条件付けなどの人為的関与のない)野生のニュージーランドコマヒタキにその様子を観察させ、どの穴に向かっていくかを観察しました。
するとこの鳥たちは、ダンゴムシの幼虫を一番多くいれた穴に向かっただけではなく、研究者らが鳥のいない隙に穴からダンゴムシの幼虫を取り除くと違和感を覚え、数合わせのためその穴を長いこと観察したといいます。
バーンズらはこの実験から、鳥は小さな数(一桁ぐらい)を認識する能力を生まれつき持っているのだと主張しました。

 

 

 

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動物は言語として数の概念を持っているわけではない(1、2など数えたりはしない)、しかし、数字を用いずとも物体の集合を認識することでおおざっぱな計算をすることができるといいます。
この能力は生まれつき備わっていて、イカカニなどの無脊椎動物にも見られるそうです。
マサチューセッツ工科大学のペパーバーグ博士はハチにもそうした能力を見出すことができるといい、学習によって区別できるようになるといいます。

 

 

  • サルは人間より賢い!?

 

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ロチェスター大学のキャントロンらは五年間の研究で、アカゲザルの計算能力が非常に高いことを報告しています。
実験では、正解した時にジュースを与える報酬を用意し、大学生のグループらとアカゲザルとで「色や形、大きさなどの同じ物体を複数個集めたものを2セット用意」し、数の少ないセットのほうを選ばせる課題にチャレンジさせました。
すると、アカゲザルのほうが選択するスピードが速いという結果を得られ、それは物体の性質(色や形)を変えても同じ結果を得ることができました。
これについてキャントロンらは、アカゲザルは大学生のようにミスについての恐れがなく、素早く判断することができるようだと話しています。
そして同じくアカゲザルの実験では、デューク大学の実験で耳で音を聞いた回数と同じ数の個数の物体を選ぶ能力などを報告しています。
また、「ゼロ」そのものを認識するには至っていなくとも、1や2より少ない数であるという認識を持っているとのこと。