動物雑学

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トカゲの尻尾、切れたり生えたりする仕組み

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 天敵と会った時、トカゲが逃げるために尻尾を切っておとりにする行動は広くしられています。
 しかし、なぜトカゲは自分で手も使わずに尻尾を切ることができるのでしょうか?そしてなぜ尻尾を再生させることができるのでしょうか?

 実は、トカゲのしっぽには細かい切れ目が入っていて、それで非常に切断されやすい構造になっているそうです。
 そして切った後は特殊な細胞が増殖し、尻尾が再生するようになっているのです。

 今日はそんなトカゲとその尻尾について迫ってみたいと思います。


トカゲの生態

 

 

 トカゲは有隣目トカゲ亜科というグループに属する動物たちを総称していいます。イグアナやカメレオンなども「トカゲ」に含まれます。
 実はいくつかの種では頭に第三の目「頭頂眼」を持ち、幼体でしか見られなかったり、退化したりしていながらも、光を感知する程度のことができるようです。
 この「頭頂眼」については詳しいことはよくわかっていませんが、トカゲたちの遠い先祖が持っていた眼の器官のなごりだと言われています。

 前述したイグアナやカメレオン、そしてカナヘビやヤモリなどを含む幅広いグループで、食べるものも昆虫から魚類、植物では果実や種、海藻まで食べる種が居ます。

 このようにいろいろな種がいるのは、なんと言ってもその起源が古いため(最初のトカゲはジュラ紀に出現)で、進化する過程で様々な性質を獲得し、コモドオオトカアゲのように巨大なものや、カメレオンのように変色して擬態するものまで生まれたのです。


トカゲのしっぽ

 

 

 トカゲはいろいろな種類が居ます。自分で尻尾を切れるものも居れば、切れないものもいます。例えばカメレオンなどは自分で尻尾を切断することができません。
 尻尾は子供のとき、大抵きれいな色をしています。これは敵が尻尾に気を取られるようにするため。小さな身体でも生き残られるよう工夫が施されているのですね。

 さてこの尻尾、なぜ手も触れていないのに切れるのかと言うと、尻尾の骨はまず自と呼ばれる小さな関節が連なる構造をしていて、それに合わせて筋肉や皮膚などの周りの組織も切れ込みが入っています。
 つまりお菓子の袋のギザギザのように、とても切れやすい構造をしているのですね。
 そして尻尾には尻尾を切るための筋肉も備わっており、身の危険がせまって逃走本能が刺激されるとその筋肉に力が入って切れる、と言った仕組みになっています。

 そんな風に切り離されやすい尻尾ですが、ご存知の通り切った後もまた生えてきます。見た目には医者もびっくりするほど元通りになりますが、なぜそのようなことが可能なのでしょうか?
 まずトカゲは尻尾を切ってもあまり出血しません。せっかく敵から逃げたのに貧血で倒れてしまっては元も子もありませんからね。それに血が流れすぎると尻尾を再生する邪魔になります。
 そのため、尻尾の切断面の周りの筋肉が収縮することで血の流出を防ぐようになっています。

 そして再生芽と呼ばれる細胞の塊を切られた部分の周囲の皮膚細胞から作ります。この再生芽はもともと皮膚の細胞だったものが脱分化(元々の機能を失う事)したもので構成され、皮膚の細胞としての機能を失ったことにより、尻尾の組織を再生するための機能をもった細胞に変わることができるようになっています。
 この再生芽が増殖していき、尻尾の組織を作っていきます。しかし、残念なことに元通りとはいかないようです。骨の複雑な組織の再生は難しく、軟骨や、皮膚や筋肉などしか再生芽は作ることができません。
 見た目は元通りですが、再生された尻尾の中はふにゃふにゃになってしまっているのですね。
 

まとめ

 

 トカゲの尻尾には驚きの仕組みが備わっていることがわかりました。
 しかしトカゲの尻尾には栄養を蓄えていることが多く、さらに再生するのにもエネルギーを使うので、尻尾を切ることで結局元気に動けなくなってしまうことも。
 また尻尾を切った後生えてこない種もあり、便利そうなトカゲの尻尾切りも現実には命には変えられないので仕方なくする行動のようです。